急成長を遂げる企業が必ず通る試練があります。それはマネジメント体制の遅れ。
組織が成長拡大していくスピードに、マネジメント機能の体制整備が追い付かないという課題です。
特にアウトソーシングや画一的なシステム化が難しい人事労務面は苦労します。小規模企業であれば、お金の管理を安心して任せられる身内人材の確保も重要です。
こうしたマネジメント機能の体制整備は一定の時間を要するため、急成長する組織はそれを待ってくれません。
その場しのぎのつぎはぎ対応をしていると、後で辻褄が合わなくなってきます。特に賃金や労働条件に関するそうした問題は深刻です。
早め早め、できれば利益が出ているうちに対処しておかないと、将来、大いに後悔することになります。
私のクライアントには、そういうステージにいる企業も多く、私自身も苦労します。
成長過程では、イケイケムードに水を差すような言動は敬遠されます。しかし、経営管理を預かる立場としては、「転ばぬ先の杖」でなければなりません。
猛スピードで走っていると、小さな石ころでも躓けば大怪我をします。その時のことを考えてリスクヘッジしておくことは、持続的な成長をしていく組織の大前提です。
アクセル全開の中で、思いっきりブレーキを踏むのではなく、ムードを壊さないように先回りをして人知れず石ころを取り除いておく。プロの仕事とはそういうものだと思います。
時には悪役を買って出てでも、貫かなければなりません。心が折れそうになることもあります。
心の支えは、持続的成長を遂げた組織のゴールイメージ。そしてその一翼を担うという使命感と達成感。
ゾクゾクするような戦いが続きます。